西武が、5月に国内フリーエージェント(FA)権を取得した浅村栄斗内野手(27)の引き留めのため、大幅に上積みした条件を提示していることが30日、分かった。レギュラーシーズン終了後の第1回交渉で最低ラインとして3年総額12億円を提示も、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ敗退後の第2回交渉で上方修正。3年総額15億円程度の好条件を提示したとみられる。
球団の顔でもある背番号「3」は、絶対に流出させない-。今オフのFA市場最大の目玉、浅村の引き留めに、交渉役の渡辺久信シニアディレクター兼編成部長(53)が、並々ならぬ思いを口にした。
「自分としては監督時代から一緒にやっている選手。球団もそうだし、当然、ファンも残ってもらいたいという気持ちがある。球団としてアサ(浅村)に対しての思いも伝えた。条件もみなさんが思っているものより上をいっている。すごいものを出しました」
浅村はレギュラーシーズン終了後の第1回交渉で、球団から最低ラインとして3年総額12億円を提示された。CSファイナルステージ敗退後の第2回交渉では球団側から再度条件提示があり、3年総額15億円程度に上積みされたもようだ。年俸5億円は、球団では中村剛也の日本選手最高額、4億1000万円(2016、17年)を上回る。
21日のCSファイナルステージ第5戦で敗れて終戦した際、浅村は「自分の今後の野球人生もある。まずはライオンズの球団の方と話して、そこからゆっくり考えたい」と発言。揺れる胸中を明かしていたが、宣言残留の可能性を残しつつも、権利行使に踏み切るのは確実視されている。